「もっと速い光回線にしたい!」
と思った時、ネットで調べると光回線の最大速度が2ギガの「NURO光」に行き着く人も多いかと思います。
しかし、NURO光はエリアが限定されており、工事費・違約金・撤去費用などが発生する可能性もあり、即断することは難しいです。
この記事では、最大速度以外の実際に出る速度に関係する「IPv6」に着目しつつ、NURO光以外の光回線もみつつ「速い光回線」を比較していきたいと思います
目次
光回線の速さは「〇Gbps」だけじゃない?
光回線の速度というのは「1Gbps」とか「2Gbps」のような「最大速度」を思い浮かべる人も多いかと思います。なかなか光回線に詳しくて勉強されていると思われます。
確かに、「最大速度」は光回線の速度を表す一つの指標であり、最も一般的な指標と言ってもよさそうです。しかし、実はそれは理論上の速度のことで、実測速度・実際に出る速度とは異なる場合があります。ここでは、そのことを頭に入れてみていきたいと思います。
やっぱり速いのはNURO光?
光回線の中で「速い光回線」と言われると、真っ先に思いつくのは話題の「NURO光」です。NURO光はSo-netが展開する独自回線で、リーズナブルな割に速度も速いのが特徴です。
NURO光の場合、
- 標準最大速度:2Gbps
となっています。通常フレッツ光系の光回線は最大速度が1Gbpsなので、それに比べると2倍の速度をオプションなしで実現していることになります。
ちなみに10ギガにすることもできますが、まだ少し値段が張ります。
今、「最大速度1Gbpsの光回線に比べるとNURO光ならその2倍の速度が出る」といった内容を書きましたが、これは、厳密に言えば間違いです。なぜかというと、そんな単純に速度が2倍になったり、半分になったりしないからです。
最大速度というのはあくまで「理論上の最大速度」であって、その速度が出ることはまずありえません。がんばってもその8割くらいが限度で、実際はその10分の1出ればいい方です。つまり、この「最大速度」と「実際に出る速度」には大きな差があるということです。もちろんそうであっても、最大速度が速ければそれに比例して実際の速度も速くなる可能性が高いです。しかし、「2倍」みたいにそんな単純な計算は難しいでしょう。
IPv6があるかないかで大分違う
さて、今度は「実際に出る速度」に目を移していきましょう。すでに最大速度と実際の速度が異なることは述べました。これらがなぜ違うのかと言うと、大きな理由の一つは通常光回線を使う場合、光回線とパソコン・スマホ等の間にいろいろ機械が仲介するためです。
光回線がいきなりパソコンにつながるわけじゃない
- プロバイダ→基地局→電線→自宅→ONU→ルーター→パソコン・スマホ等
こんな感じでいくつかの過程を経て、最後の「端末」(パソコン・スマホ)に届きます。この中で光回線に該当するのは基地局からONUまでの間です。ONUで光回線からLANケーブルの方式に代えて、ルーターでLANケーブルやWi-Fiで使えるようになります。光回線の光がそのままパソコンに届くのではなく、間でLAN・Wi-Fi等の形式に変わるのです。
この宇宙には光以上に速いものはありませんから、光回線は確かに超高速です。しかし、パソコン・スマホに届くためには光回線でないものに変換しなければなりません。
まず、この時点で速度が最大速度よりも遅くなっていきます。
IPアドレスを素早く発行できれば高速!
それから、もう一つ「プロバイダ」に関わってくる原因があります。それは「IPアドレス」です。通常パソコンであれスマホであれ、ネットにアクセスするためにはネット上のID件住所である「IPアドレス」を発行してもらう必要があります。これがなければインターネットを利用することができません。
このIPアドレスですが、従来、そして今も使われている「IPv4」という方式の場合は以下のように表示されます。
- 192.0.2.0
- 123.45.67.89
IPv4の場合は、最大で43億個のアドレスを作ることができます。しかし、現在、人間の数は35億×2=70億以上です。全員がパソコンを使わないとしても、実際現在では、たった一人でも「スマホ」「パソコン」「職場のパソコン」などいくつもの端末を毎日使う可能性があります。そのため、このIPv4方式のIPアドレスは枯渇してきています。枯渇していくと、なかなかすぐにIPアドレスが発行されず、インターネットの速度も遅くなります。これが、実際の速度が遅くなる第二の理由です。
このIPアドレスは大体プロバイダが関係して発行しているのですが、このプロバイダがもたもたしていると速度も遅くなります。プロバイダが速くIPアドレスを発行する方法に「IPv6」があります。この方式なら最大で約340澗(340兆の1兆倍の1兆倍)作れるためもう枯渇の心配はありません。
また、従来はPPPoEという方式でしたが、IPv6の場合はIPoEという方式になります。この二つを比べると、
- PPPoE:家→基地局→プロバイダ→インターネット
- IPoE:家→VNE→インターネット
IPoEの場合は間に基地局・プロバイダと二段階のプロセスを踏まなくても、いいのでより速くなります。特に基地局は利用者が多いと混雑するので、IPoEならそれも回避できます。
IPv6の方式が使える光回線なら、実際の速度もより速くなることが分かります。
そんなに最大速度にこだわらなくてもいい
最大速度、実際に出る速度について見てきましたが、ここでこれらを踏まえると「そんなに最大速度にこだわらなくてもいい」ということがわかってきます。もちろん最大速度は重要なのですが、実際に出る速度がそれによって確実に速くなるとは限りません。
最大速度が速くなっても、機器自体の最大速度に限界があったり、IPv4方式でプロバイダがもたもたしていると、思うように早くはなりません。
そのため、無理してNURO光にしなくても、IPv6に対応している光回線を選ぶというのも良策です。
IPv6が使えるお得な光回線
ここからは、IPv6が使えるお得で良質な光回線をいくつか紹介したいと思います。
auひかりは高品質・リーズナブル!
まずはじめは「auひかり」です!
※画像はKDDIの公式サイトより引用
マンション | 1ギガ・5ギガ(戸建て) | 10ギガ(戸建て) | |
月額料金 | 3800円 | 5,100円 | 5,880円 |
データ | 無制限 | ||
契約期間・違約金 | 3年・15,000円 | ||
工事費 | 30000円(1250円×24回)→無料 | 37,500円(625円×60回)→電話契約で無料 | |
撤去工事費 | - | 28,800円 |
NURO光と速度の点で唯一争えているのはこのauひかりです。関東の該当する地域の戸建てであれば、5ギガ・10ギガを選択することができます。また5ギガは1ギガと同じ料金です。
もちろん1ギガであっても、auひかりは良質な光回線なので、十分インターネットを楽しむことができます。
IPv6は標準装備!
気になるIPv6ですが、マンションであれ戸建てであれ、1ギガ・5ギガ・1ギガであれ、標準装備で追加料金もかかりません。
IPv6がauひかりで選べる6つのプロバイダのどれを選択しても標準でついてきます。
ビッグローブ光もIPv6標準装備!
今度はビッグローブ光を見ていきたいと思います。
※画像はBIGLOBEの公式サイトより引用
サービス | マンション | 戸建て |
最大速度 | 1Gbps | |
データ量 | 無制限 | |
月額料金 | 3,980円 | 4,980円 |
スマホ割引 | auスマートバリュー:月額最大2,000円割引×10回線 | |
工事費→キャンペーンで無料 | 27,000円 | 30,000円 |
キャッシュバック | 60,000円 |
ビッグローブ光は特に戸建てがリーズナブルな光回線です。
特に戸建ての月額料金は5000円を切っていて割安です。
IPv6は無料で使える!
ビッグローブ光でもIPv6が無料で使えます。
ただし、「IPv6オプション」の申し込みが必要です。IPv6対応のルーターを使っていれば、問題なくIPv6を使うことができます。
ソフトバンクユーザーならソフトバンク光!
ソフトバンク光も見ていきましょう!
※画像はSoftBankの公式サイトより引用
項目 | 内容 |
速度 | 1Gbps(光コラボの中では一番速い) |
月額料金 | 戸建て:5,200円 マンション:3,800円 |
工事費 | キャンペーンで無料 |
スマホ割引 | 最大1,000円×10回線 |
キャッシュバック | 最大38,000円 |
ソフトバンクの特徴はなんといっても「おうち割光セット」です!これはソフトバンク携帯と光回線のセット割です。
このおうち割光セットの条件は、
- ソフトバンク光の契約
- 固定電話の契約
- 対象携帯等プランの契約
この三つです。ソフトバンク光とソフトバンク光を応用した光電話の契約、そして、対象となる携帯プランを契約していれば割引を適用することができます。
ソフトバンク光でもIPv6を標準で使うことができます!
まとめ:NURO光と比較して
さて、最後にIPv6の使えるおすすめ光回線とNURO光とを簡単に比較しておきましょう。
まず、NURO光の概要ですが、戸建てだと以下のようになります。
サービス | 2G | 10G |
最大速度(下り/上り) | 2Gbps/1Gbps | 10Gbps/2.5Gbps |
月額料金 | 4,743円 | 6,480円 |
工事費→キャンペーンで無料 | 40,000円(30回払い)→30ヶ月継続利用で無料 | |
エリア | 北海道・関東・東海・近畿・九州の一部 | |
契約期間・違約金 | 2年・9,500円 |
なかなかリーズナブルで速度も速いです。
これに対する各光回線のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット | デメリット | |
auひかり | 同じ料金で5ギガも可・IPv6標準 東海・近畿以外のほぼすべてのエリアで使える | 東海・近畿で使えない |
ビッグローブ光 | 全国で使える・引っ越し工事費無料・IPv6可 | 最大1ギガ |
ソフトバンク光 | 全国で使える・ソフトバンク携帯の割引・IPv6標準 | 最大1ギガ |
すべて「IPv6」を使うことができるため、速度には定評があります。
割引や「エリア」などの点でNURO光に勝っている点もいくつかあります。
NURO光も良質な光回線ですが、速度を重視する場合は、無理にNURO光にしなくても、IPv6の使える光回線を選べばいろいろな特典をもらうことができてお得です!