インターネットと言えば、現在は光回線やモバイルルーターが有名ですが、実は他にもいくつかあります。
ケーブルテレビ回線によるインターネット回線は古くからあったもので、現在でも一定のシェアを持っています。関西では、JCOMウェストやbaycomのインターネット回線がある程度利用されています。
今回はインターネット回線としてケーブルテレビの提供するものはおすすめできるのか、色々と調べてみました。
ケーブルテレビのインターネット回線とは?
関西のケーブルテレビを見ていく前に、まずはケーブルテレビの基礎知識を確認していきましょう。
ケーブルテレビのインターネット回線の仕組み
ケーブルテレビのインターネット回線は基本的に「テレビ配信のためのケーブルをインターネット回線に応用する」という形でできています。
ケーブルテレビというのは、地デジ・BS・CS・有料チャンネルをアンテナではなく、有線ケーブルで家まで接続して提供するものです。
例えばですが、ケーブルテレビは
- 電波塔+BS+CS → アンテナ → 日本デジタル配信 → 放送センター → 光ケーブル → 家
このような順路で家まで配信・配線されています。
この配線を利用して、インターネットも届けます。
インターネットは
- 基地局 → 電線 → 家
といった順路でなんらかのケーブルを通し、使えるようになります。
『あれ?ケーブルテレビも光ケーブルを使ってるなら「光回線」じゃん?』と思うかもしれません。
確かにケーブルテレビは光ケーブルを使ってテレビもインターネットも提供しているのですが、これはケーブルテレビ用に光回線とは多少異なる様式に変更されているので、厳密に言えば「光回線」ではありません。
その証拠に、ケーブルテレビは光回線と違い下りと上りに速度の差が出てしまっています。
他のインターネットと比べてのケーブルテレビの位置
他のインターネットと比較してケーブルテレビのインターネット回線がどのような位置にあるのかを見ておきましょう。
自宅で使えるインターネット | 速度 | 工事 |
光回線 | 1~10ギガ | 必要 |
ホームWi-Fiルーター 例)auスマートポート/ソフトバンクAir | 440メガ | 不要 |
モバイルルーター 例)ポケットWi-Fi | 440メガ | 不要 |
ケーブルテレビ回線 | 320メガ | 必要 |
ADSL回線 | 50メガ | 必要 |
※1ギガ=1000メガ(それぞれ1秒にどのくらいデータを送れるかの単位)
※速度は代表的な事業者のものです
現在インターネットに関して言えば、最も速いの光回線です。
工事が必要な固定回線に限って言えば、
- ①光回線、②ケーブルテレビ、③ADSL(電話回線)の順で速いです。
他にも工事の必要ないホームWi-Fiルーターや、持ち運びできるモバイルルーターなどがあります。
やはりケーブルテレビのインターネット回線は現在主流となっている「光回線」には勝てず、「電話回線のインターネットより速い」といったレベルにとどまります。
また、ケーブルテレビの提供するテレビサービスに関しても、同じようなものが光回線から「ひかりTV」のような形で出ているので、専売特許も失われつつあります。ケーブルテレビは元々、テレビをアンテナで受信しにくい地域のために作られたもので、電波塔の性能が飛躍的に上がった現在では、その役割も後退しつつあります。
関西のケーブルテレビと言えば?
関西のケーブルテレビと言えばどのようなものがあるでしょうか?
関西に関しては、全般的に
- JCOMウェスト
が広範囲をカバーしています。
また、大阪では
- baycom
も有名です。
今回はこの2つを紹介し、関西の代表的なケーブルテレビのインターネット回線について把握しましょう。
JCOMウェスト
JCOMウェストは色々な支局に分かれていますが、基本的なプランや内容は同じです。
JCOMウェストの系列
JCOMウェストは、関西の兵庫県・大阪府・京都府・和歌山県などの地域に広がっています。
支局は以下の通りです。
- J:COM 神戸・三木
- J:COM 神戸・芦屋(神戸)
- J:COM 大阪セントラル
- J:COM 北河内
- J:COM 東大阪
- J:COM 豊中・池田
- J:COM 吹田
- J:COM 京都みやびじょん
- J:COM 高槻
- J:COM 宝塚・川西
- J:COM かわち
- J:COM 和歌山
- J:COM りんくう
- J:COM 堺
- J:COM 大阪
- J:COM 和泉・泉大津
- J:COM 南大阪
- J:COM 北摂
JCOMは基本的に、各地域にあったケーブルテレビの会社を買収して、吸収し、巨大化した会社です。
とはいえ、基本的には親会社である「ジュピターテレコム」が統括しています。
※JCOM公式・エリアと統括運営のしくみ から
そのため、関西の18支局のどこでも、同じ料金・同じ速度のインターネット回線を提供してくれます。
ケーブルテレビのインターネットの月額料金と速度
JCOMには「ケーブルテレビのインターネット回線」と「光回線」の2つがあります。
ただし、大阪ではケーブルテレビのインターネット回線しか提供されていません。というのもJCOMの光回線はauひかりのものを使っていて、auひかりは関西には展開していないので、そのためJCOMも提供できないというわけです。
まずは、ケーブルテレビのインターネット回線を見ていきましょう。
<JCOMケーブルテレビ回線>
最大速度(下り/上り) | ホーム | マンション |
320メガ/10メガ | 6,000円/月 | |
120メガ/10メガ | 5,500円/月 | |
12メガ/2メガ | 3,980円/月 | |
1メガ/512キロ | 2,980円/月 |
※「1Gコース」もありますが関西では提供されていません
※「J:COM NET 光 1Gコース on au ひかり」は関西では提供されていません
一番速いコースで320メガ、次に120メガ、12メガ、1メガとなっています。とはいえこれは「最大速度」なので、この速度が出るわけではありません。
また、ケーブルテレビのインターネット回線なので、上りと下りの速度が異なります。
やはり、はっきり言って1メガ、12メガのコースでは動画鑑賞はおろか、ネットサーフィンさえも楽しめないでしょうからおすすめはできません。可能なのは「文字だけのメールを一日に数回使う」といったくらいでしょうか。
120メガも結局最大速度にすぎないので、このサービスでスムーズなインターネットが期待できるかは微妙です。そうなると320メガしか選択肢がなくなってきますが、これは月額6,000円と高額です。
光回線の相場は最大速度1ギガ(上り/下り)で、ホーム5,200円/月、マンション3,800円/月です。これと比べて考えると、やはりこちらのケーブルテレビのインターネット回線はおすすめできません。
baycom
大阪を中心に展開しているケーブルテレビの会社に「baycom」(ベイコム)があります。
ベイコムはケーブルテレビのインターネット回線だけではなく、光回線も提供しています。
ケーブルテレビのインターネット回線と月額料金と速度
まずは、ケーブルテレビのインターネット回線を見ていきましょう。
<baycomケーブルテレビ回線>
最大速度(下り/上り) | 月額料金 |
160メガ/10メガ | 5,630円/月 |
120メガ/10メガ | 5,430円/月 |
30メガ/2メガ | 4,930円/月 |
6メガ/256キロ | 2,560円/月 |
JCOMと同様、やはり遅いタイプが多いです。
また、料金に関しても160メガで5,630円というのは、あまりお得とは言えないでしょう。NURO光なら2ギガで4,743円です。
baycom光パック
ベイコムには光回線の提供もあります。
このプランは、
- 光TVBS
- 光NET(上り/下り1ギガ)
- ケーブルプラス電話
が3つついて、
- 月額料金:6,400円
となっています。
大体、電話は光回線の場合500円/月なので、テレビと光回線で5,900円/月といった感じです。確かにリーズナブルかもしれません。ここまでは良いのですが、キャッシュバックや携帯割引などがないのが他の光回線よりも劣る点かもしれません。
サービス提供地域は以下です。
※baycom公式サイト光サービス提供エリア から
光回線と比較するとデメリットが目立つ
JCOMのケーブルテレビのインターネット回線、ベイコムのインターネット回線を見ていきましたが、インターネット回線としてこれはおすすめできるでしょうか。
ケーブルテレビのメリットデメリットを確認し、おすすめ光回線を見ていきましょう。
ケーブルテレビはおすすめできない
やはり、結論から言うとケーブルテレビはおすすめできません。
通信速度が遅い
まず始めに、現代のサイトや動画を考えると、ケーブルテレビのインターネット回線ではもはや対応できない速さが必要となります。
その意味で、「ケーブルテレビのインターネット回線は遅い」ということが言えます。最大320メガ、160メガでは、スムーズなインターネットはあまり期待できません。
月額の料金が高い
次に、ケーブルテレビのインターネット回線は「高い」です。320メガで6,000円/月というのはかなり高く、他のどんな光回線でもあまり見当たりません。
光回線であっても、ベイコム光の場合は必ずパックで申し込まなければならないようで、その分料金も上がります。
キャッシュバックがない
第3のデメリットとして、「キャッシュバックがない」という点が挙げられます。
確かに、ケーブルテレビのインターネット回線には携帯割引や違約金還元のキャンペーンがありませんが、これはいらない人にとっては何のデメリットではありません。
しかし、「キャッシュバックがない」というのは誰にでも関わることです。キャッシュバックは基本的に誰でももらえるもので、現在多くの光回線で提供されています。それを逃す手はありません。
おすすめはこの光回線!
以下ではおすすめの光回線を3つ紹介したいと思います。
その3つとは
- NURO光
- ソフトバンク光
- ビッグローブ光
です。それぞれ特徴を持っています。
ソフトバンク光とビッグローブ光はフレッツ光の光回線を使った「光コラボ」です。
NURO光
ホーム | マンション | |
速度(上り/下り) | 2ギガ/1ギガ | 2ギガ/1ギガ |
月額料金 | 4,743円 | 1,900~2,500円 |
契約期間 | 2年 | |
工事費 | 40,000円 → 無料 | 月額料金に含まれる |
NURO光の代名詞は「速さ」と「安さ」です。
4,743円にも関わらず2ギガの速度の光回線を使うことができます。また工事費は基本的に無料です。
キャッシュバックも
- ネットのみ:30,000円
- ネット+電話:35,000円
となっていておすすめできます。
ビッグローブ光
ファミリー | マンション | |
速度(上り/下り) | 1ギガ/1ギガ | 1ギガ/1ギガ |
ビッグローブ光 | 4,980円 | 3,980円 |
契約期間 | 3年 | |
工事費 | 30,000円 → 無料 | 27,000円 → 無料 |
ビッグローブ光はマンションよりもファミリーのほうが相対的に安く、工事費も無料になります。
また、引っ越しの際、工事が発生しても工事費が無料になる、移転工事費無料のキャンペーンもあります。
キャッシュバックは
- 新規:35,000円
- 転用:10,000円
となっていて、なかなか期待できます。
ソフトバンク光
ホーム | マンション | |
速度(上り/下り) | 1ギガ/1ギガ | 1ギガ/1ギガ |
月額料金 | 5,200円 | 3,800円 |
契約期間 | 2年 | |
工事費 | 24,000円 → 無料 |
ソフトバンク光は料金が極めて標準的ですが、キャンペーンが充実している光回線です。
スマホ・携帯割引である「おうち割光セット」や、違約金還元キャンペーンである「あんしん乗り換えキャンペーン」などもあります。また、工事費も無料になります。
キャッシュバックは
- 新規:最大56,000円
- 転用・事業者変更:最大35,000円
となっています。
料金も速度もケーブルテレビのインターネット回線よりも良く、キャッシュバックも期待できる光回線がおすすめです!