神奈川ではJCOMやイッツコムなど、いくつかのケーブルテレビの会社が利用できます。
ケーブルテレビと言っても、地デジや有料チャンネルを提供するもので、地元のチャンネルを意味するわけではありません。また、ケーブルテレビ会社は「インターネット回線」も提供しています。
今回はそんな神奈川のケーブルテレビの提供するインターネット回線について、それがお得なのか、速いのか、などを徹底的に見ていきたいと思います!
目次
ケーブルテレビ・インターネット回線の特徴
まずは、神奈川のケーブルテレビのインターネット回線に関する基礎知識を知ってきましょう。
他と比べたケーブルテレビ・インターネット回線の質
まずは、ケーブルテレビのインターネット回線全般の特徴を見ていきましょう。
インターネット回線というのは
- 下り:基地局 → 電線 → 自宅
- 上り:自宅 → 電線 → 基地局
の双方向で情報のやりとりができる「回線」があれば成り立ちます(モバイルルーター類は異なります)。
つまり、双方で情報がやり取りできるケーブルがあれば良いので、それが光回線でも電話回線でも、ケーブルテレビ回線でもどれでも良いのです。ただし、ケーブルの技術によって速度も違います。
現在では光の速度で情報を送る光ファイバーを使った「光回線」が最も速いインターネット回線です。
自宅で使えるインターネットにはいくつか種類がありますが、主なものは以下の5つです。
自宅で使えるインターネット | 速度 | 工事 |
光回線 | 1~10ギガ | 必要 |
ホームWi-Fiルーター 例)auスマートポート/ソフトバンクエアー | 440メガ | 不要 |
モバイルルーター 例)ポケットWi-Fi | 440メガ | 不要 |
ケーブルテレビ回線 | 320メガ | 必要 |
ADSL回線 | 50メガ | 必要 |
※1ギガ=1000メガ(それぞれ1秒にどのくらいデータを送れるかの単位)
※速度は代表的な事業者のものです
ADSL/VDSL回線は電話回線を応用したもので、もう一昔前のものです。
モバイルルーターは持ち運びが可能、ホームWi-Fiルーターは持ち運びはできないが、工事は不要、といった特徴を持ちます。
ケーブルテレビ回線はケーブルテレビの回線を応用したもので、ADSLよりも速いですが、これも一昔前の回線と言わざるを得ません。光回線はauひかり・NURO光であれば最大10ギガの超高速で、フレッツ光・光コラボであっても1ギガの速度を誇ります。
ケーブルテレビ回線はやはり光回線には劣るため、光回線と違うなんらかのメリットがないといけませんが、どんなものがメリットに当たるでしょうか。
次の項で見ていきましょう。
ケーブルテレビでお得な点は?
ケーブルテレビ回線のお得な点は、やはり
- ケーブルテレビ(地デジやBS・CS、有料チャンネル)とのセット割
でしょう。
ケーブルテレビ回線の他にない特徴と言えば「ケーブルテレビ」なのですから、これとのセット割が推しポイントになっていきます。ケーブルテレビと言っても、地域の専門チャンネルを意味するのではなく、基本的には「地デジ・BS・CS・有料チャンネル」を指します。
アンテナをわざわざ建てなくても、ケーブルテレビによって地デジが見られるようになります。ただし、すでに光回線もフレッツ光の「ひかりTV」のように光回線を利用したテレビサービスも行っています。
ケーブルテレビのように、テレビも情報が回線から送られてくれば良いだけなので光回線でも応用できるのです。光コラボの提供するひかりTVなら光回線用の工事だけで、高速インターネットもテレビ(地デジも含む)も楽しめます。
また、複雑な話になりますが、ケーブルテレビ回線もより速いネットサービスを求めて光回線を提供していたりします。そのため、光回線を応用したテレビサービスとのセット割もしていたりします。
ケーブルテレビ回線なのに光回線や光回線によるテレビサービスをしていたりするので、もう何が何だかわからないですね…。
神奈川で使える主なケーブルテレビ回線
神奈川で使えるケーブルテレビは複数ありますが、
主なものは
- JCOM系列
- イッツコム
の2つです。
JCOM系列は
- JCOM南横浜
- JCOM湘南
- 横浜ケーブルビジョン
の3つで、これによって主な神奈川の地域を網羅しています。
イッツコムは神奈川だけでなく、「東急沿線」をカバーしています。そのため世田谷区や町田市などの地域も範囲内です。
JCOM南横浜・JCOM湘南・横浜ケーブルビジョン
まずは、JCOMを見ていきましょう。
大体どれも同じですが、横浜ケーブルビジョンは光回線を提供していません。
月額料金と速度
まずは、月額料金と速度をみていきましょう。
下の方はJCOMの「ケーブルテレビ回線」の月額料金と速度です。
<JCOMケーブルテレビ回線>
速度(下り) | ホーム | マンション |
1G(100メガ) | 6,680円 | ー |
320M(10メガ) | 6,180円 | |
120M(10メガ) | 5,680円 | |
12M(2メガ) | 4,160円 | |
1M(512キロ) | 3,160円 |
※1ギガはJCOM湘南のみ
JCOMは最近1ギガのケーブルテレビ回線を始めたので、ケーブルテレビ回線でも最高速度が1ギガになっています。
その他は320メガ、120メガ、12メガ、1メガとなっています。はっきり言って1メガ~120メガはネットサーフィンすらままならないかもしれません。
単純な文章だけのメールや文字しか書かれていないサイトであれば、表示できるかもしれませんが、現在はメールにも画像や添付ファイルなどをつけることが増えていますし、文字だけのサイトなどほとんどありません。
というのも、例えば「120メガ」と書かれていても、これは最高速度を表しているだけなので、実際に120メガ出るわけではありません。また、下りは120メガでも上りは10メガくらいだったりします。
かろうじて320メガならストレスなく使えるかな、と思ったりしますが、こちらも上りは10メガなので決してスムーズに使えるとは限りません。1ギガのコースも同様です。
これに対し光回線はすべて上り下り1ギガ以上なので、速さの点では光回線がおすすめできます。
さらに、料金の面から見ても、JCOMは明らかに高いです。光回線の相場はホーム5,200円/マンション3,800円で、ホームはこの料金で1ギガです。これを踏まえると320メガのコースですでに6,000円のJCOMはインターネットに適していないことが分かります。
光回線は結局auひかり
実はJCOMには光回線もあります。
と言っても、これはJCOMの独自回線ではなく、auひかりの光回線をJCOMが借りているだけです。
※JCOM公式サイト
JCOM on auひかり | |
月額料金 | 6,680円 |
速度(下り/上り) | 1G/1G |
こちらはauひかりの光回線を使っているので、速度が上り下り1ギガと安定しています。
「これなら確かに使える」と思うかもしれませんが、料金が異常に高いです。auひかりの3年プランなら月額料金は5,100円なので、JCOMより毎月1,400円も安いです。
それでいて品質は全く変わらないのですから、まずもってauひかりに直接契約する方がましだということがわかるでしょう。
ちなみにこちらはホームのみの提供となっています。
イッツコム
イッツコムは東急沿線で提供されているケーブルテレビ回線ですが、こちらも光回線の提供を行っています。
かっとび
イッツコムには「かっとび○○」といったインターネット回線があり、ケーブルテレビの回線を使ったものとフレッツ光との光コラボの2つがあります。
まずはケーブルテレビのインターネット回線を見ていきましょう。
月額料金 | 速度 | |
かっとびメガ160 | 6,000円/台 | 160メガ |
かっとびワイド | 4,600円/台 | 30メガ |
かっとびプラス | 3,200円/台 | 8メガ |
かっとびジャスト | 1,700円/台 | 1メガ |
一番は速いもので最大160メガの速度で、毎月6,000円です。
この速度ではよほど忍耐力のある人でしかインターネットを楽しめないでしょう。また、月額料金もかなり高いので光コラボやauひかり、NURO光の方がおすすめできるというのが本音です。
○○円/台と書かれているのが気になります。従来はWi-Fiではなく有線(LANケーブルでパソコンに直接つなぐ)の方が主流だったので、「円/台」となっているのでしょう。
ただし、メガ・ワイドでは申し込めば無料でWi-Fiが使えるので複数台で使えるようです。しかし、プラス・ジャストの場合は月額240円のWi-Fiを申し込む必要があります。
とはいえ、有線で理想的な条件にした場合が最高速度なのであり、無線=Wi-Fiにすると速度が落ちるのですから、Wi-Fiはきっと耐えられる速度ではないでしょう。
テレビサービスとのセット割は?
イッツコムにはもちろんテレビサービスとのセット割があります。
ここでは、標準的なテレビサービスである「αエース」とインターネットを同時に使った場合の割引を見てみましょう。
αエースというのは、専門チャンネル43ch+地デジ+BSデジタルの内容からできており、さらにブルーレイにするかどうかで料金が変わります。ここではブルーレイではなく標準的な機器を選択した場合を考えてみましょう。
通常 | 割引あり | |
αエース | 5,100円 | |
かっとびメガ160 | 6,000円 | |
合計 | 11,100円 | 10,900円 |
割引は「ダブル割」というものが適用されます。しかし、見ての通り「200円」しか割引されません…!
もし、ビッグローブ光で同じようなセットにした場合、
- 4,980円(光回線)+2,000円(テレビ)=6,980円
といった料金になります。
さしあたりケーブルテレビだからと言ってテレビサービスとセット割にしても大してお得にならないことがわかるでしょう。
イッツコムひかり
イッツコムには「イッツコムひかり」という独自の光回線があります。
月額料金 | 速度(下り/上り) | 契約期間・違約金 | |
2Gコース | 6,200円 | 2ギガ/1ギガ | 2年・9,500円 |
1Gコース | 5,700円 | 1ギガ/1ギガ | |
300メガコース | 5,200円 | 300メガ/100メガ | |
30メガコース | 4,600円 | 30メガ/10メガ | なし |
こちらは最大2ギガも用意していて、やや興味をそそられますが、やはり料金が高めです。
光回線ホームタイプは1ギガでも標準価格が5,200円/月なので、1ギガ5,700円/月のイッツコムひかりはちょっと高いです。
2ギガに関しては通常の光回線よりも速いですが、神奈川ではNURO光・auひかりが2ギガ以上の光回線として使えます。NURO光は2ギガで4,743円/月ですし、auひかりは5,100円/で5ギガが使えます。その点では、イッツコム光の2Gコースが「速くて安い」というわけではないでしょう。
まとめ
それでは神奈川のケーブルテレビ回線についてまとめていきましょう。
ケーブルテレビのインターネット回線は光回線でもおすすめできない
やはり、神奈川のケーブルテレビ・インターネット回線はおすすめできません。
その大きな理由は次の3つです。
- 速くない
- 安くない(セット割もたいしたことない)
- キャッシュバックがない
まず、「速くない」です。
上り下り1ギガに満たないホームタイプの光回線は現在ではあまり使い物になりません。また、1ギガのサービスがあっても「安くない」のです。
ケーブルテレビの目玉である、テレビサービスとのセット割も200円くらいの割引にしかなりません。サイトに載っている「最大2,000円お得!」というのは、テレビ・インターネット・電話・タブレット・電気など色々入れてやっとお得になるというものです。
結局そうなったときには、元が高いので、それぞれ別々に頼んだ時よりも高くなってしまいます。
さらに、気になるのは「キャッシュバックがない」ということです。通常光回線は契約者を増やすためにキャッシュバックを設定しています。良くない代理店では、もらうのにすごい時間がかかったり、条件が厳しくてもらえなかったりしますが、優良店であれば、確実かつ迅速にキャッシュバックをもらうことができます。
その点で、キャッシュバックは「誰でももらえるもの」なのです。しかし、ケーブルテレビのインターネット回線にはそれがあまり期待できません。
横浜ケーブルビジョンには、35,000円のキャッシュバック(商品券)がもらえたりするキャンペーンがありますが、これも実は「テレビ+ネット+電話」と色々とオプションをつけないといけないので損をします。
おすすめの光回線は?
それではおすすめの光回線を見ておきましょう。
ホーム | マンション | |
auひかり | 5,100円(1ギガ・5ギガ) | 3,800円 |
NURO光 | 4,743円(2ギガ) | 1,900~2,500円 |
ソフトバンク光 | 5,200円(1ギガ) | 3,800円 |
ビッグローブ光 | 4,980円(1ギガ) | 3,980円 |
どれでも速度が安定しており、さらに料金もケーブルテレビよりリーズナブルなのがわかります。
これらのキャッシュバックは以下です。
① | ② | |
auひかり | 52,000円 | 45,000円 |
NURO光 | 35,000円(ネット+電話) | 30,000円(ネットのみ) |
ソフトバンク光 | 56,000円(新規) | 15,000円(転用・事業者変更) |
ビッグローブ光 | 35,000円(新規) | 10,000円(転用・事業者変更) |
この金額のキャッシュバックが確実にもらえるので光回線はかなりおすすめできます!
やはりケーブルテレビのインターネット回線は一昔前のものであって、いろいろ譲歩したり、セット割を考慮したとしても光回線の方が安くて速い、というのが結論です!